2015年10月18日

いよいよ今週からインフルエンザワクチン接種開始 −今年は4価ワクチンに−


 今シーズンからインフルエンザウイルスに対するワクチンがA型2種類、B型2種類の4価に変更されました。具体的には
 A型株 A/カリフォルニア/7/2009 (X-179A) (H1N1)pdm09
A/スイス/9715293/2013 (NIB-88) (H3N2)
 B型株  B/プーケット/3073/2013 (山形系統)
      B/テキサス/2./2013 (ビクトリア系統)
となっています。これまでのワクチンに何のウイルス株を入れるかは毎シーズンのWHOの推奨を基に各国で決定されていましたが、厚労省健康局長が国立感染症研究所所長にウイルス株選定を依頼し最終的に厚労省から6月に通達が出されて国内メーカーがワクチンを製造します。昨シーズンまでの3価ワクチンにはA型であるパンデミックH1N1およびH3N2、そしてB型であるビクトリア系統あるいは山形系統のいずれかから1種類ずつ、計3種類のウイルスが入っていました。

 A型が2種類と優先されたのは、1)ワクチンに入れることができる総蛋白量に上限がある、2)発症あるいは重症化する患者はB型よりA型で多いという臨床的な印象がある、3)B型はA型に比べ免疫原性の獲得効率が悪い、などが理由とされてきました。

 厚労省のホームページによるとhttp://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10601000-Daijinkanboukouseikagakuka-Kouseikagakuka/0000087674.pdf 4価ワクチンを導入した理由として、近年インフルエンザの流行はA(H1N1)pdm09およびA(H3N2)に加えてB型である山形系とビクトリア系の混合流行が続いており、WHOも2013年シーズン(南半球向け)から4価ワクチン向けにB型2系統からそれぞれワクチン株を推奨していること。また米国においては2013/14シーズンから4価ワクチンが製造承認され、世界の動向は4価ワクチンへと移行してきていることなどが挙げられています。

 では総蛋白量が増えたことによる安全性への影響はどうかと言うと、臨床試験の段階では3価ワクチンとの有意な差は無かったが接種部位の腫脹が4価群ではやや大きい傾向が見られました。

 またもともとB型ウイルスはワクチンによる免疫原性の獲得率が低いことが知られていますが、B型の2系統を確実にカバーできることで流行とのミスマッチが起こらず効果は上がることが期待されます。

 一方でワクチンの総蛋白量を増やすということは、製造に使う卵の数を増やすことでもあり、これは今シーズンのワクチン価格を引き上げることにつながります。実際には今までの1.5倍程の納入価格となっています。そのためもともと自由診療であるワクチンの接種料金は数百円程度の値上がりとなった医療機関が多い様で、当院でも昨年までの3,000円を3,500円にさせていただきましたのでご了承下さい。
posted by 凄腕院長 at 22:25| 日記