2016年01月07日

 ダニアレルギーの減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬                       が使用可能に!


 昨年末に相次いでダニアレルギーのアレルゲン免疫療法薬であるシオノギ製薬の「アシテア ダニ舌下錠」及び鳥居薬品の「ミティキュア ダニ舌下錠」が発売され使用が可能となりました。前者は3年前に当院でも臨床治験を行った経験があります。

 アレルギー性鼻炎の有病率は年々増加しつつあるのが現状で薬物治療の安全性、有用性の上での進歩はみられますが、近年喘息発症の危険因子との指摘もありより根本的な治療が求められていました。以前から行われてきた皮下注射による皮下免疫療法(SCIT)舌下免疫療法(SLIT)アレルギー疾患の自然経過を改善し長期寛解と治癒が期待できる唯一の治療法です。また新たな別のアレルゲンによる感作や喘息の発症を予防できると考えられています。舌下免疫療法の機序としては未解明な部分もありますが抗原特異的なIgG4/IgA抗体産生やTh1⁄TregによるT細胞応答の調節等免疫学的変化によりアレルギー性鼻炎の症状が抑えられることが知られています。

   アシテア.JPG

 両製剤とも2種の室内塵ダニ(ヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニ)由来のアレルゲン抽出物を含有する速溶性の舌下錠ですが、用法・用量(アレルゲン量の違いと濃度の漸増のしかたの違い)と錠剤の溶けやすさが少し違います。両者とも治療対象は「ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎」であり12歳以上となっています(12歳未満の小児については治験中)。病因アレルゲンがダニではない患者さん、本剤の投与によりショックを起こしたことのある患者さん、重症の気管支喘息の患者さんは禁忌(対象外)です。錠剤を1日1回1錠舌の下に置いて前者は2分、後者は1分間口内に保持したのち飲み込みます。内服後5分間はうがいや飲食を控えてもらいます。

 この製剤が使用できることになり従来の皮下注射による免疫療法の場合の頻回の通院(週に1〜2回から徐々に間隔を延ばし数週に1回、月に1回など)や皮下注射の疼痛がないというメリットがある一方でデメリットとしては1)アナフィラキシー等が発現するリスクがあります;アレルゲンを投与することからまれに重篤なアレルギー症状が生じる可能性がありますが、治験を含む過去のデータではまだありません。2)治療は長期間かかります;WHOは3〜5年間続けることを推奨しています。3)全ての患者さんに効果があるわけではありません;国内外の臨床治験のデータでは約10〜20%は効果が期待できないようです。また国内臨床試験では使用例の60%強に副作用が見られましたが主なものは咽喉刺激感、口腔浮腫、口腔掻痒感、耳掻痒感など軽微なもので重篤なものはありませんでした。

 新薬は暫くの間2週間しか処方できないので2週毎の通院が必要になります。また初回投与時には院内で内服して30分程度様子を観させていただきます。

当院の登録は終了していますのでご希望があれば直ちに治療を開始することができます。



posted by 凄腕院長 at 23:08| 日記