2017年09月18日

 今シーズン(2017‐2018年)のインフルエンザについて



 少し気の早い話ですが、今季のインフルエンザ流行が早まるかもしれません。と言うのも厚生労働省の発表によると9月4〜10日の1週間で小中学校や幼稚園、保育所から報告されたインフルエンザ患者が137人に上り、これは昨年の同時期に比べ5.7倍の多さとの事です。厚労省によると、都道府県別で最も多かったのは沖縄で66人、次いで島根の37人でしたが、その他に東京、埼玉、神奈川などの首都圏や西日本、宮城などでも学級・学年閉鎖があった様です。この連休で人の往来が多いことでしょうからいつ北海道に入ってきても不思議は無く、今季はインフルエンザの流行が例年より早く始まるかもしれません。

 そろそろインフルエンザワクチンの話が医療関係者からちらほら出るようになりました。ワクチンを製造する際には他の地域での流行状況や最近数年の傾向を踏まえて、今年はどの様な型のウイルスが流行するかを厚生労働省や国立感染症研究所が予測して作ります。今年のワクチン株は以下の様に決まりました。
  A/Singapore(シンガポール)/GP1908/2015(IVR-180)(H1N1)pdm09
  A/Hong Kong(香港)/4801/2014(X-263)(H3N2)
  B/Phuket(プーケット)/3073/2013(山形系統)
  B/Texas(テキサス)/2/2013(ビクトリア系統)

 今年はワクチン株の決定が遅れたため初期のワクチン製造量が少なく、供給不足の恐れがあるとの話も聞こえてきます。国立感染症研究所によると昨シーズンはAH3亜型(A/H3N2、香港型)が流行ウイルスの主流だったので今シーズンはAH1pdm09亜型(A/H1N1pdm09、いわゆる新型インフルエンザウイルス)が主流となる番であり、そうすると低年齢層でのインフルエンザ脳症やインフルエンザ肺炎の増加が懸念されます。近年ワクチン接種率が低下傾向の様ですが、ワクチン接種はお早目に!



posted by 凄腕院長 at 21:48| 日記