厚生労働省によると、2月4日までの1週間(第5週)に全国の定点医療機関を受診した患者数は26万8811人となり、定点当たり54.33人とこれまでの最多を3週連続で更新しました。全国の医療機関を受診した推計患者数は約282万人で前週の約274万人より増加し、推定受診患者数の累積では1,000万人を突破した模様です。
日経メディカル電子版より
国内で流行しているインフルエンザウイルスの検出状況では直近(2018年第1〜第5週)でB型が318件と最も多く、AH3亜型が160件、AH1pdm09亜型が142件でした。これまではAH1pdm09亜型が主流でしたが、B型の勢いが増しているようです。なお札幌市でも今年に入りB型が増えています。
「札幌市感染症情報」より
今年この様にインフルエンザが大流行している理由として1つには例年とは異なる流行のパターン、すなわち例年シーズン初めにはA型の流行が見られ、一段落着いて1〜2月頃からB型の流行が見られることが多いのですが、今シーズンは当初から2つの型のウイルスが同時に流行することで患者数を押し上げたのではないかと考えられています。2つ目にはワクチン製造の遅れによる供給量の不足が挙げられています。最終的には昨年度と同程度の数のワクチンが供給されたとのことですが、各医療機関にとっては小出しで出荷されるワクチンを確保して患者さんの予約にお答えするのは非常な手間となるために最初の供給数が切れた時点で予約を打ち切ったところが多かったものと推測されます。そのためにワクチンを接種する間もなく流行が始まってしまった可能性があります。その他の要因としては日本全体を覆う寒気の影響、気温の低下も関係あるのかもしれませんが確実なことは誰にも不明です。
今後もこの流行は暫く続くと予想されますが、体調を整えてシーズンを乗り切りましょう。流行が終了するのも例年より早いのでは。