RSV感染症はRSウイルスによる呼吸器感染症で患者さんの約75%以上が1歳以下の乳幼児で占められます。4〜6日の潜伏期間後に発熱や咳など軽い風邪様の症状から重い肺炎まで様々で、6か月以下の赤ちゃんや低出生体重児、心・肺疾患や免疫不全のある赤ちゃんなどが感染すると重症化する恐れがあります。また初めて感染した場合は症状が重くなりやすいと言われており、終生免疫は獲得されないためどの年齢でも再感染が起こりますが、一般的に年長児では重症化しません。乳幼児期、特に1歳以下でRSウイルスに初感染した場合は細気管支炎、肺炎と言った重症な症状を引き起こすことがあります。
従来秋から冬に流行していましたが、近年では7月頃より報告数の増加が見られるようになりました。既に首都圏での流行が報道されていましたが、先日ついに過去最多の患者報告数となっています。
RSウイルスは2歳までにほとんどの子供が感染するとされますが、昨年は年間を通して流行しませんでした。これは新型コロナウイルス対策でマスクを装用したりうがい、手洗いが励行されたり、保育園が休園したことなどの影響とみられています。専門家達は通常であれば免疫を獲得していた年齢の子供たちの多くが免疫を持っていないために今年は感染が拡大しているのではと見ています。
北海道や札幌市でもじわじわと報告者数が増加しつつあり、十分な注意が必要です。