新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まった2020年の春、実はシラカバ花粉飛散の多い年でした。にもかかわらず花粉症の症状で受診する方は例年と比べ非常に少なく、これは緊急事態宣言下で多くの方が外出を控えて屋外でもマスクを着用していた事の効果がありそもそも症状があっても受診控えが多くあったためとも考えられます。そして昨年春は非常に花粉飛散が少ない年だったせいもあり、やはり受診される方は少なかったです。この様に花粉症に対するコロナ禍の影響は大きく、今年も更にオミクロン株の流行下で花粉症によるウイルス飛沫の飛散やCOVID-19との症状の見分けがつきにくいなどが懸念されています。
さて結論から先に言えば今年度のシラカバ花粉飛散量は「かなり多い」との予測が出ています。何度も言う様にシラカバ花粉の飛散量は前年度夏季の気温、日照時間、日射量等に左右され、その結果各機関がほぼ同様の予測を出しているわけです。以下に参照した花粉飛散量の予測の結果を記載します。
1. 毎年お馴染み道立衛生研究所の予測によると2022年のシラカバ花粉飛散量は5段階(少ない、やや少ない、例年並、やや多い、多い)のうち多いとされています。
http://www.iph.pref.hokkaido.jp/pollen/p_files/yosoku.html
2. 日本気象協会の予測では今年のシラカバ花粉飛散量は例年比220%、昨年比310%でともに「非常に多い」となっています。
https://tenki.jp/pollen/expectation/
3. 最後にウェザーニュース社の予測は天候と同様に例年かなりの精度と思っていますが、平年比140%、昨年比約180%とこれまた大変多いと言う結果です。https://weathernews.jp/s/topics/202201/180235/
昨日から今日にかけて気温が上がり、大分雪解けも進みました。間もなく3月、春の訪れを迎えます。例年だと3月後半頃にはシラカバと同じカバノキ科のハンノキ花粉が飛散開始して、花粉症シーズン到来となります。その頃の新型コロナの状況が見通せませんが、早目の対策(初期療法)が大事なのは言うまでもありません。たくさんの花粉を取り込んで症状が酷くなってから受診するよりは、GW前には受診しておいて花粉の飛散開始かまたは症状が出始めたら直ぐに内服や点鼻薬、点眼薬を開始できるように準備しておきましょう。