2023年02月23日

 2023年シーズンのシラカバ花粉飛散予測


 既に始まっている本州の花粉症シーズンですが、地方によっては過去10年間で最多と見込まれている様です。この場合北海道以外の地方では「スギ花粉症」が圧倒的に有名です。ではスギ花粉症は札幌市に存在しないのか?と言うと、昨年の札幌市における花粉飛散の状況を見ると4月の頭位にしっかりと観測されているのが分かり近年多い傾向です(道南や東北地方から南風に乗って飛散する?)。しかし見ての通り飛散期間は短期間であり本州で観測される飛散量とは100倍ほど桁が違います。ですからほとんど問題にはなりませんが札幌市在住でもスギ花粉症になる可能性は充分にある事が確認されています。

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 さて本題の今シーズンシラカバ花粉飛散がどうなるかと言うと、おなじみの「道立衛生研究所」「日本気象協会」「ウェザーニュース社」の全てが例年より少なく、飛散量の多かった昨年比でも当然少ないとの予想です。今年も私自身の近所のシラカバを時々観察していますが、目視でも明らかに例年と比べて雄花序がまばらです。

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 コロナ禍では人前で鼻をかんだりくしゃみをすることに気を遣う方も多いでしょう。花粉飛散が少ないからと言って必ずしも症状が軽いとも限りませんのでしっかりと予防をお勧めします。「初期治療」は症状が出始めてすぐに内服治療を開始すれば間に合います。毎年ひどくなる方は花粉飛散予想日の1週間程度前からの内服開始も良いでしょう。薬の治療がどうしても嫌な方は鼻粘膜のレーザー焼灼術も考慮して下さい。既に当院には花粉症対策としてレーザー手術希望される方が増えています。

レーザー治療は遅くても3月中に終わらせることをお勧めします(手術予約枠が残りわずかです)!


posted by 凄腕院長 at 20:41| 日記

2023年01月30日

 5月8日に新型コロナ五類へ ―私の考えている事― 


 政府は新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけについて、現在の「新型インフルエンザ等感染症」から季節性インフルエンザなどと同じ「五類」に移行する方針を決定しました。そもそも国の定める「一類感染症」とは例えば映画の題材にもなったエボラ出血熱の様な「現在我が国に存在していないもので、治療法が確立していないため国民の生命に極めて重大な影響を与える病原体」による感染症で、「二類感染症は」感染力、重症度が「一類」に次ぐ感染症です。例えば過去に流行したSARS、MERSもこの二類に分類された経緯で今回の新型コロナウイルスによるCOVID-19も発生当初からこの二類に分類された訳です。なお三類、四類はやや特殊な感染症で五類には麻疹、風疹、おたふく風邪、水ぼうそう、季節性インフルエンザなどがあります。

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    国境なき医師団のHPより
 
 ニュース番組や新聞等で報道されていますが、懸念される点として1)患者さんへの対応、2)医療提供体制、3)サーベイランス、4)基本的感染防止対策と言われており、それぞれに対し私見を記したいと思います。1)今までは新型コロナの抗原検査やPCR検査、ワクチン接種、治療薬、入院費用などの費用全てが公費負担だったわけですが政府はこれらを段階的に無くしていく方向の様です。このことにより、患者さんによっては敢えて検査をしない、治療や入院を拒否する方が出てくるのかもしれませんが私はほんの一握りだと思っており、それよりは今の新型コロナやインフルエンザの自己(抗原)検査の方がはるかに問題だと思います。自分で抗原検査をして陰性だったからと通常の生活を送っている方がどれほど多いことか。自己検査陰性でも当院で鼻咽腔から検体採取して検査すると陽性になる方は数多く見受けますので、自己検査にはかなりの無理があると思います。2)今までの「検査・診療医療機関」の登録無しに原則どの医療機関でも診療・検査・入院ができる様になるわけですが、恐らく医療機関の数は変わらないか減るのではないかと思います。3年の期間で新型コロナを見ていなかった医師が今後見る方向に転換するとはとても思えずまた診療上のインセンティブも無くなるからです。また新型コロナに対する抗ウイルス薬「ラゲブリオ」は一人9万円近い薬価ですが、これが重症化、死亡率低下効果がほぼ無いのではという報告が出ました。国産の「ゾコーバ」と言い無駄な医療費はやはり対費用効果を考えて自粛すべきであり、これらの費用についても見直すべき時期が来たのではないでしょうか。3)については既述の通り、自覚の無い感染者「隠れコロナ」が増える懸念があります。現在の主流のオミクロン株では軽症化しているのは間違いないと思いますが、今後重症化する変異株や別の感染症が拡大する可能性がぬぐえません。4)つい最近の報道で世論調査では60代以上の高齢者ではマスクを外すことに不安があるとの回答が7割近くだったとの事。私自身最近は屋外で他人との会話機会が無い場面で極力マスク着用を控えています。自家用車内に一人で運転中にもマスクを装着してる方をよく見かけますが、私には理解できません。そういう方は家庭内でもマスク生活なのでしょうか?新型コロナが飛沫(空気)感染であることは自明ですが、いい加減に無駄な飲食店でのパーティション、環境消毒などについても見直す時期と思っております。皆さんはどう考えるでしょうか?


posted by 凄腕院長 at 21:33| 日記

2022年12月18日

 インフルエンザ流行の兆しか?


 かねてより懸念されている今冬のインフルエンザ流行の兆しがどうやら見えてきた様子です。

 NHKニュースによると厚労省の発表では今月11日までに1週間に全国約5000か所の医療機関から報告された患者数は1238人でした。これは前の週よりも602人多く、1医療機関当たり0.25人と「流行入り」の目安である1人を大きく下回っていますが、引き続き注意が必要です。都道府県別では岩手県が1.57人で県は「流行が始まった」と発表しています。次いで大阪府が0.65人、富山県が0.58人、東京都と熊本県が0.50人となっています。

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 さて北海道はと言うと全体では0.11人ですが札幌市では0.27人となっており、今月15日の市の発表によれば東区の小学校では学級閉鎖となっています。またこの発表と市の下水中のインフルエンザウイルスのモニタリングの結果を踏まえて、当院でも昨日から積極的にインフルエンザウイルス抗原の迅速検査を行っております。すると何と早速昨日1名清田区在住の方が陽性となりました!実に約3年ぶりのインフルエンザ患者さんです。
 これらの事実から(感染者の確認や下水中ウイルスモニターの結果)は密やかに市中で感染が拡大しつつあるものと思われ、全国的に新型コロナウイルスの感染者も増加中であることから同時流行の現実味がかなり増してきたのではないでしょうか。少なくとも私自身はかなり切迫感を持って備えようと考えています。

「インフルエンザのワクチン接種も是非早目にご考慮ください!」


posted by 凄腕院長 at 17:11| 日記